トラリピの運用設定はブログで公開している人も多く、トラリピを始めるときにはそっくりそのままで運用を開始する人も多いです。
真似をして始めること自体全く悪いことではありません。しかし、それは万人受けする設定であり、自分にぴったりの運用設定とは言えませんよね。
私自身も最初はトラリピ界有名人の設定で始めましたが、3か月でマネスクのトラリピを引退し、今では代用有価証券FX手動トラリピで月20万円程度(利回り月1.5%程度)の利益確定をしています。
この記事では、私のトラリピ運用設定手順とともに、一般的なトラリピ運用設定の正しい構築手順を紹介しています。
投資は全て自己責任です。この記事を読めば、ただなんとなく真似しているだけの状態から少しステップアップして、自分にぴったりの運用設定ができますので、ぜひ最後までご覧ください。
自分の資金量に応じたトラリピ運用設定を自分で構築する方法
この記事を書いている人

- 30代前半夫婦・2人の子どもの4人家族/持ち家
- 元税務署職員/FP2級
- メインは代用有価証券FX×ETF積立で1,400万円運用中
- その他は積立NISA、iDeCo、仮想通貨積立など分散投資
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- 本ブログの運用実績に偽りはありませんが、その他の投資に関する情報は個人的見解を含みます。投資に関する決定は自らの判断と責任で行っていただきますようお願いします。
トラリピの運用設定の正しい構築手順
まずは結論から。トラリピ運用設定の正しい構築手順はこちらです。
- 運用資金の確認
- トラップの敷き方の検討
- 候補の通貨ペアの選定
- バックテスト期間の検討
- レンジ幅の決定
- トラップ幅の決定
- 利益確定幅の決定

次章から私の実例と併せてトラリピ運用設定の手順を紹介しています。最終的にはバックテストの結果で通貨ペアなどの運用設定を決める流れです。
この記事は次のように活用してみてください。
- あなたの現在の状況に当てはめていき、今のトラリピ運用設定が自分に合っているか確認する。
- 一から運用設定を検討する。
では一緒に見ていきましょう。
私の運用設定もこれから紹介する方法で見直しています。見直し前後の運用設定はこちらで紹介しているので、最終形だけ見たい方はこちらからどうぞ。
現行運用設定
口座①で2通貨ペアの低相関運用、口座②で3通貨ペアの低相関運用をそれぞれで独立したものとして運用しています。
旧運用設定
口座①で3通貨ペアのすくみ運用、口座②で4通貨ペアの低相関運用を行っていました。運用資金が足りないなどの過ちを見直して現行運用設定に移行しています。
トラリピの運用資金の確認
これは皆さんが自然にされていることだと思いますが、まずはトラリピに充てる運用資金を確認しみましょう。



私の場合は2つの口座で運用中で次のようになっています。
代用有価証券FX手動トラリピで行っているため、株式評価額なども記載しており、株価が30%減になった場合までを想定しています。
口座① | 口座② | |
---|---|---|
①現金 | 2,888,825 | 2,691,679 |
②株式評価額 | 4,219,075 | 4,434,475 |
③株式評価額×70% | 2,953,353 | 3,104,133 |
④株価30%減の場合 | 2,067,347 | 2,172,893 |
合計(①+④) | 4,956,172 | 4,864,572 |
代用有価証券FXは、株式をFXに利用できるサービスで、株式評価額の70%をFXの証拠金として利用できます。詳細は割愛しますが、次の記事で詳しく紹介しています。


自分のトラリピの運用資金を確認できたら次に進みましょう。
トラリピのトラップの敷き方の検討
トラリピのトラップの敷き方は主に次の2つの方法があります。
- ハーフ&ハーフ
- プラススワップのみのトラップ(マイナススワップ方向にはしかけない)
自分の性格に合った運用方法を選択しましょう。どちらにするかによって、検討する通貨ペアも変わってくる可能性があります。
また、通貨ペアによってハーフ&ハーフとプラススワップのみを使い分けることも考えられます。次項の候補の通貨ペアの選定と一緒に考えてもいいでしょう。
私の場合は、運用する全ての通貨ペアについてハーフ&ハーフにしています。
次の記事でマイナススワップが大きい米ドル/フランの取引履歴などを紹介していますので、悩んでいる方は一読した上で決めましょう。
候補の通貨ペアの選定
次にトラリピ運用する通貨ペアの候補を決めましょう。もちろんインフルエンサーやブロガーの方が運用している通貨ペアを参考にしてもかまいません。
私の場合は次の通貨ペアを候補としました。
- NZドル/円
- ユーロ/円
- 加ドル/円
- ユーロ/ポンド
- ユーロ/NZドル
- NZドル/米ドル
- 米ドル/フラン
- 米ドル/加ドル
次項からのバックテストなどを経て最終的には2~3通貨ペアに絞っていきます。個人的には1口座につき2~3通貨ペアが最適と考えているからです。



相場は生もの、何が起こるか分かりません。複数通貨ペアを扱っていると想定外の事態が起こったときに柔軟な対応が困難になります。
トラリピ運用のクロス円の通貨ペアでよく豪ドル/円が挙げれらます。私の場合は安全性の観点からNZドル/円の方がトラリピ向きと判断しています。次の記事で紹介しているので気になる方はどうぞ。
トラリピのバックテスト期間の検討
どのくらいの期間でバックテストするかを決めます。バックテストでは、その期間内で必要だった最大の必要資金を確認できます。
リーマンショックまでを想定する方も多いですが、私の場合は10年間としました。



理由は、~ショックはこれからも随時起きますが、あまりに長期間を想定すると資金効率が落ちてしまうからです。
例えば、ドル/円で75円程度までの下落を見込むとします。そこまでの円高を見込んだレンジ設定とした上で、運用資金に応じたトラップ幅を考えるとかなりの幅広トラップとなります。つまり利益は出しにくくなります。
ちなみに、2022年の円安は32年ぶりでリーマンショックよりさらに昔です。どこまで想定するかはある程度の思い切りが必要となるでしょう。
トラリピのレンジ幅の決定
トラリピのレンジ幅を決めていきます。
決め方ですが、一番簡単なのは、次のようにバックテスト期間のチャートを見て高値、底値で設定する方法です。ハーフ&ハーフは丁度中央値にします。


私は少し異なる方法で、次の手順を踏んでレンジ幅を決めました。
自分が決めたバックテスト期間の過去分の為替レート(私の場合、過去10年)を取得します。為替レートは、次のサイトで無料会員登録すればダウンロードできます。
取得した為替レートを利用して、エクセルなどでヒストグラムを作成します。
私自身も初めてヒストグラムを作りました。どこでもいいですが、私は次のサイトで作り方を確認しました。
「ヒストグラム」で雑多なデータを見やすくする(マイナビニュース)
ヒストグラムを作ることにより過去にどのレンジにどのくらい出現していたのかを数値、割合で判断できます。
次のようにヒストグラムで大まかに上下約3%のレンジを除きました。ちなみに10年間のうちの3%は110日=3~4か月程度です。(タップで拡大できます。)


上下約3%を設定レンジから除いた理由は2つです。
- ハーフ&ハーフの中央ラインを最適にするため。
- リスクを取り過ぎないため。
ハーフ&ハーフの中央ラインってどこが最適でしょうか。



設定したレンジのちょうど真ん中じゃないの?



私の考えでは、できるだけ設定レンジの真ん中あたり、かつヒストグラムの出現率が高いところ。
万一トラリピを撤退する場合を考慮すると、出現率の高いところにハーフ&ハーフの中央ラインが来ている方が含み損のない時期で撤退できる可能性が高くなるからです。
ショック相場などの極端な時期の高値、底値を考慮すると、真ん中の位置が高値(又は底値)に引っ張られて寄ってしまいます。つまり、最も出現率が高いレートにハーフ&ハーフの中央ラインが来ないことになります。
2つ目は大した理由ではないですが、ショック相場などの極端な高値、底値は追いかけるのに躊躇してしまうからです。ショック相場時には市場は総悲観、自身も本当にここまで追いかけていいのだろうかと不安な状況と想定できます。



リターンを逃す可能性もあるけど、ポジションを持つことにストレスを抱えぎない程度としたいね。
私が現在運用している通貨ペアのレンジとヒストグラムを掲載しておきます。実際には、候補とした通貨ペア全てにこの作業を行います。




トラップ幅の決定
ここからついにバックテストツールを使いながらトラップ幅を検討していきます。
バックテストのツールは、アビさんのブログの次のものを使用させてもらっています。
トラップ幅を変えながらバックテストを繰り返し、各通貨ペアの最大必要資金を確認していきます。当然トラップ幅が狭い方が保有ポジション数が多くなるため、必要資金が増加します。



クロス円であれば10,000通貨1円間隔や1,000通貨0.1~0.8円の間隔にする方が多いよね。



まずはざっくりで。クロス円でない場合も円換算で1円幅くらいが感覚をつかみやすく、運用しやすいです。
例えば、運用資金が300万円で3通貨ペア運用したい場合は、大まかに1通貨ペアあたり100万円の必要資金になるようにします。200万円、50万円、50万円などは1つの通貨ペアに運用資金が偏ることを意味します。重点にしたい通貨ペアがある場合は構いませんが、特段理由がなければある程度均等にするのがいいでしょう。



私は口座①、口座②それぞれ約500万円の運用資金です。1通貨ペアあたり100~200万円くらいの必要資金になるようにします。
利益確定幅の決定
前項で候補の通貨ペアのトラップ幅を決定すれば、それぞれで利益確定幅を変えながらバックテストを繰り返します。



利益確定幅は最大必要資金に影響のない部分です。自分が許容できる利益確定幅の範囲で調整し、利回りを確認していきましょう。
ちなみに、利益確定幅が狭いと日々のチャリンが嬉しいですが、利回りは落ちる場合が多いです。
反対に利益確定幅をある程度広くすると利回りが高くなりますが、日々のチャリンが少なく、利益確定寸前で折り返したときのショックがあります。
通貨ペア、トラップ幅、利益確定幅の確定
通貨ペアごとに、トラップ幅、最大必要資金、利益確定幅、利回りなどを一覧で確認し、最終的な運用設定を決定します。
私の場合は、決定した通貨ペアだけを抜粋すると次のようになっています。


- 色塗りが今回採用した通貨ペア
- バックテスト期間は2012.8.1~2022.7.31(10年間)
- ユーロ/ポンド、米ドル/加ドルは参考までに短期間での結果も掲載
- 利回り順位のカッコ書きはユーロ/ポンド、米ドル/加ドルの短期間の結果を考慮した順位
- 設定レンジは、ヒストグラムで上下約3%を除いたレンジとした。
- 利益確定幅は日本円で10,000~15,000円程度になるようにした。
当然ですが、バックテストはこれまでの運用の場合の話です。今後もその状態が続くわけではありません。あくまで必要資金や利回りの目安となるだけということは十分認識しておきましょう。
まとめ
今回はトラリピ設定の正しい構築手順を紹介しました。少し大変な作業ですが、これらの手順を踏んで初めて自分の資金量に合った通貨ペア、レンジ幅、トラップ幅、利益確定幅(利回り)となります。
皆さんもトラリピの運用設定を考える上で参考にしてみてください。
もし自分の資金量に合った運用設定になっていない場合には損切りも検討する必要があります。損切りする場合や損切り順については次の記事で紹介しています。
そんな大変な作業やってられないよ、完コピでいいよって方は私のトラリピの運用実績を見ながら、いくつかの通貨ペアを選んで始めてみるのもいいかもしれません。最新の運用実績はこちらで紹介しています。


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