私は約500万円の投資信託をインデックス運用していますが、2021年12月から積立NISAとiDecoで保有している投資信託以外は東証のETFに移行中です。
この記事では投資信託とETF(上場投資信託)って何が違うの??という疑問に答えます。
ETF(上場投資信託)と投資信託の違いを知りたい。
投資信託は手を付けたけど、ETFも気になっている。
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- 本ブログの運用実績に偽りはありませんが、その他の投資に関する情報は個人的見解を含みます。投資に関する決定は自らの判断と責任お願いします。
ETFと投資信託の違い11項目を比較
まずは結論から。ETFと投資信託の違い11項目を比較してまとめたのが次の表です。
- 各項目のタイトルをクリックするとその項目にジャンプできます。
項目 | ETF(上場投資信託) | 投資信託 |
---|---|---|
売買価格 | リアルタイム | 一日一回基準価額 |
注文方法 | 成り行き・指値 | 基準価額が分からない状態で注文を出す |
流動性 | 低い | 必ず成立 |
受け渡し日 | 3営業日目 | 4~5営業日目 |
購入手数料 | かかる | 不要のものが多い |
売却手数料 | かかる | 不要 |
運用コスト | 一般的に投資信託より低い(商品による) | 一般的にETFの方が低い(商品による) |
税金 | 配当時に利益確定され、源泉徴収される。 | 配当再投資の場合、税金は繰り延べされ、解約時に源泉徴収される。 |
自動積立 | できない | できる |
代用有価証券FX | できる | できない |
貸株 | できる | できない |
売買価格・注文方法
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
売買価格 | リアルタイム | 一日一回基準価額 |
注文方法 | 成り行き・指値 | 基準価額が分からない状態で注文を出す |
非上場である投資信託は1日に1度、基準価額が決定される仕組みであり、購入や売却を時点ではいくらで売買したのかが決まっていません。
取引完了までいくらで決済されたかが分からないためモヤモヤしてしまう人もいるようです。
それに比べて、上場しているETFは、取引所が開いている時間帯は株式と同じようにリアルタイムで取引が可能なため、投資信託のようにモヤモヤすることはないですね。
また、株式同様に信用取引もできることになっています。
取引の自由度でいうと、ETFにメリットがありますね。
流動性
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
流動性 | 低い | 必ず成立 |
ETFのうち日本市場のものに特に言えることですが、今のところ投資信託よりメジャーでなく、取引高が少ないため、希望する価格で売りたいときに売れない、買いたいときに買えないなど流動性が低いことがデメリットとして挙げられます。
それに比べ投資信託は必ず基準価額で取引が完了します。
少し深堀り(興味ない人は飛ばそう!)
ETFの流動性・・・
ETFは、上場株式としての「市場価格」と投資信託としての「基準価額」の2つの価格がある。
市場価格は市場の需給で決まるため、その日の終わりで決まる投資信託の価値=基準価額とは乖離する可能性がある。
これを極力防ぐため、2018年7月から東証は「マーケットメイク制度」を導入して、ETF市場でもより流動性を確保する仕組みを取り入れている。
本制度において、当取引所は、申請をもとに銘柄ごとにマーケットメイカーを指定し、指定を受けたマーケットメイカーは、気配提示義務を履行することで、インセンティブ(報酬)を得ることができます。マーケットメイカーが気配提示義務を履行することによって、対象のETFに対して、需給動向を踏まえた公正な価格で、十分な量の気配が提示されることになり、投資家の皆様が売買をしたいタイミングで、より良い価格で売買する環境を提供できるようになります。
日本取引所グループ マーケットメイク制度の概要
今後、国内市場のETFも米国市場のETF同様に取引が活発になることに期待です。
参考におてぴが実際に運用している投資信託とETFの純資産総額を載せておきます。
ETF(2022.1.26時点) | 投資信託(2022.1.25時点) | |
---|---|---|
商品 | NEXTFUNDS外国株式・MSCI‐KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信(2513) | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド |
純資産総額 | 241.4億円 | 3,489.3億円 |
こう比べてしまうとこのETF大丈夫!?ってなるかもしれませんが、東証のMSCI‐KOKUSAI指数に連動するETFで最も純資産総額が大きいものになります。
一般的に純資産総額が100億円以上であれば中長期の運用としても、繰上げ償還の心配はなさそうです。
受け渡し日
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
受け渡し日 | 3営業日目 | 4~5営業日目 |
受け渡し日とは、買い注文が成立してETFや投資信託を保有できる日、または保有しているETFや投資信託を売却して現金が利用できるようになる日のことを言います。
受け渡し日は、ETFの場合は売買成立日から3営業日目ですが、投資信託の場合は注文を出してから4又は5営業日目とかなり遅くなります。
次の売買、軍資金の用意のことを考えると、受け渡し日は早いにこしたことはないため、ここはETFが優勢です。
購入手数料・売却手数料
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
購入手数料 | かかる | 不要のものが多い |
売却手数料 | かかる | 不要 |
ETFは証券会社ごとの異なる購入手数料や売却手数料が発生します。
それに比べ、投資信託は購入手数料がかかりますが、売却手数料はかかりません。
また、投資信託のインデックスファンドであればノーロード(購入手数料なし)のものが増えてきています。
購入手数料、売却手数料の観点からすると投資信託に軍配が上がります。
ただし、ネット証券では1取引100万円まで手数料0円のところも出てきているため、優劣がなくなってきています。
取引手数料が安い主要な証券会社の現物取引手数料を比較してみました。
証券会社/取引金額 | ~5万円 | ~10万円 | ~20万円 | ~50万円 | ~100万円 | ~150万円 | ~3000万円 | 3000万円超 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 55円 | 99円 | 115円 | 275円 | 535円 | 640円 | 1013円 | 1070円 |
楽天証券(※3) | 55円 | 99円 | 115円 | 275円 | 535円 | 640円 | 1013円 | 1070円 |
auカブコム証券
![]() | 55円 | 99円 | 115円 | 275円 | 535円 | 約定金額×0.099%(税込)+99円【上限:4,059円】 | 同左 | 同左 |
DMM.com証券 | 55円 | 88円 | 106円 | 198円 | 374円 | 440円 | 880円 | 880円 |
LINE証券 | 55円 | 99円 | 115円 | 275円 | 535円 | 640円 | 1013円 | 1070円 |
- 25歳以下はキャッシュバックにより実質無料
- 1.1%ポイントバックあり
- 1%ポイントバックあり
- 松井証券は1約定制がありません。
1約定制の取引手数料はほぼ横並びですが、DMM株が頭ひとつ抜けているといったところでしょうか。
証券会社/取引金額 | ~50万円 | ~100万円 | ~200万円 | ~300万円 | 以降100万円ごと |
---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 0円 | 0円 | 1238円 | 1691円 | +295円 |
楽天証券 | 0円 | 0円 | 2200円 | 3300円 | +1100円 |
auカブコム証券
![]() | 0円 | 0円 | 2200円 | 3300円 | +1100円 |
松井証券FX | 0円 | 1100円 | 2200円 | 3300円 | 5500円 |
- 25歳以下は無料
- DMM株とLINE証券は一日定額制がありません。
特に25歳以下の方は、手数料無料の証券会社もあります!うらやましい!
ただし、25歳を超えている方でも1日定額制などを利用すれば、手数料をかなり抑えることができますね。
運用コスト
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
運用コスト | 一般的に投資信託より低い(商品による) | 一般的にETFの方が低い(商品による) |
運用コストは、信託報酬(運用資産から日々差し引かれる運用管理費用)と信託財産留保額(解約するときに支払う費用)とがあります。
一般的に信託報酬は投資信託よりもETFの方が低いと言われていますが、商品によって異なりますので一概には言えません。
また、信託財産留保額は投資信託だけにかかるものですが、かからない投資信託も多くあります。
例えば、おてぴが実際に運用している先進国株式の投資信託とETFを比較すると投資信託の方が信託報酬が低く、運用コストが低いことが分かります。
ETF(2022.1.26時点) | 投資信託(2022.1.25時点) | |
---|---|---|
商品 | NEXTFUNDS外国株式・MSCI‐KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信(2513) | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド |
信託報酬 | 0.187% | 0.1023% |
信託財産留保額 | なし | - |
税金
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
税金 | 配当時に利益確定され、源泉徴収される。 | 配当再投資の場合、税金は繰り延べされ、解約時に源泉徴収される。 |
ETFと投資信託に発生する税金は、配当時と売却(解約)時です。
売却(解約)時はETFも投資信託も取扱いは同じ。
違うのは配当にかかる税金です。
ETFは配当として利益が確定した際(多くは年2回の配当時)に、所得税と地方税で計約20%が源泉徴収されます。
しかし、投資信託の場合、配当の受け取りについて、受け取りと再投資と選択できるものが多く、再投資にした場合はその時点で税金が発生せずに、税金の繰り延べが可能です。
税金の繰り延べができることで何がいいかとういうと、複利効果を最大限活用できること。
ETFの配当では必ず税金が引かれてしまい、その部分は再投資ができませんが、投資信託では税金が引かれない分、元金として再投資されることになるため、複利効果が大きくなります。
下図は、初期元金100万円、毎月積立額3万円、年利5%、税率20.315%、運用期間20年のグラフになります。

投資元金と利回りが同じにも関わらず、税金を繰り延べしただけで約43万円の差が発生し、税金の繰り延べの効果が大きいことが分かります。
自動積立
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
自動積立 | できない | できる |
投資信託ではほとんどのネット証券で少額からの積立投資が可能です
毎日、毎週、毎月決まった曜日、日にちに自動で購入又は売却する仕組みです。
それに比べて、今のところETFで積立投資に対応しているのは、限られた銘柄で限られた証券会社となっています。
自動積立の観点では投資信託に軍配が上がります。
代用有価証券FX
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
代用有価証券FX | できる | できない |
代用有価証券FXは聞きなれない方も多いかもしれませんが、簡単に言うとETFや株式を担保にFXができるというもので、いくつかのFX会社(※)で取扱いがあります。
- 私の知っている限り、DMM FX、auカブコム証券、マネーパートナーズ、SBI FXで株券担保FXの取扱いがあります。
- auカブコム証券は、投資信託を株券担保FXで利用できるとしていますが、配当再投資を選択した投資信託は利用できません。
おてぴは実際に代用有価証券FXを活用しており、少なくとも月利1%以上を達成しています。
概要はこちらでまとめていますので気になる方はどうぞ。

長期運用で運用額も大きくなるインデックス投資と併用すれば、リスクをかなり抑えたFXが可能であるため、ETFの大きなメリットになります。
次に紹介する貸株との併用はできないことが多いため注意しましょう。
貸株
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
貸株 | できる | できない |
ETFについては、株式と同じ取扱いのため、証券会社によって行っている貸株サービスを利用できます。
貸株サービスとは株式等を証券会社に貸し出すことにより金利を得られるもので、株主優待や配当の基準日には金利か権利かを選択することも可能だったりします。
SBI証券や楽天証券では多くが0.1%以上の金利で、都市銀行などの預金金利0.001%を大きく上回りますね。
非上場の投資信託ではこのサービスを利用できません。
資産運用しながら金利がもらえる貸株が利用できるという点ではETFにメリットがあります。
まとめ
ETFと投資信託の違いを11項目にわたって比較しました。
自分が重要視する項目によってETFと投資信託の運用を選択しましょう。
おてぴが個人的に重要視すべきと考えた項目、利回りの向上に大きく寄与する項目を再掲しておきます。
ETF(上場投資信託) | 投資信託 | |
---|---|---|
税金 | 配当時に利益確定され、源泉徴収される。 | 配当再投資の場合、税金は繰り延べされ、解約時に源泉徴収される。 |
自動積立 | できない | できる |
代用有価証券FX | できる | できない |
貸株 | できる | できない |
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